財政破綻の先 アルゼンチン編
ジム・ロジャースを始めとする一部のエコノミストは,日銀の金融緩和策等により経済成長を図るアベノミクスは日本を経済破綻に追い込むと警笛を鳴らしている.僕は経済に関して無知なので,アベノミクスの行く末を予測することは出来ない.政府による為替介入は経験的に半分は成功し,半分は失敗しているという大変漠然としたイメージしか持っていない.
このように経済について無知かつ勉強する気もない場合,どのように状況を受け止めればよいのか.自分は政府や円に対し信頼しきっているというか,勝手になんとかしてくれるという思いを思っている.しかし,難しいことは大人たちに任せるとはいっても,大きな博打を打とうとしている今,最悪の目が出た場合を知っておくことは精神衛生上重要である.
最悪な状況を知るには,最悪な状況に陥った人々をみるのが手っ取り早い.たまたま,デフォルト界のエリートであるアルゼンチンと,今世界をにぎわすギリシャ危機というビッグウェーブに波乗り真っ最中なキプロスを訪れる機会があったので,実際に経済破綻した,人々の生活を紹介したい.
デフォルト界のエリート アルゼンチン
アルゼンチン南部の町 エルカラファテにて
アルゼンチンは過去に7回のデフォルトを経験している,デフォルト界を代表する存在,いわばデフォルトエリートである.そしてまさに今,新たな危機に貧している.米ファンドがアルゼンチンに対し債務全額の返済を申し立て,米連邦地裁はこれを認めた.無論返す金などない.
週末には家族で楽しくデモをしているアルゼンチンだが,市民の生活がどん底かといえばそう言う訳でもなさそうだ.理由として,市民がアルゼンチンの経済システムが破綻していることを受け入れ,自分たちの資産を外貨に分散することでリスクヘッジを行っている点が大きい.市民は加速するインフレに対応するため自国の通貨を捨てた.実際,米ドルとアルゼンチンペソの公式レートは現在1ドルあたり8.7ペソ程度だが,首都ブエノスアイレスでは1ドル13ペソ程度の闇レートで両替されている.この闇レートはドラーブルーと呼ばれ,経済誌の1面に毎日掲載されている.さすがデフォルト界のエリート.市民はグローバル化した経済を活用することで,資産を守っている.
これはキプロスにも共通することだが.財政破綻が起こる条件のうち,最もシンプルなものは返済を迫る債権者がいる,ということだ.アルゼンチンの場合は,アメリカのハゲタカファンドである.敵がいるからこそ,経済戦争に負け,デフォルトという名の終戦処理が必要となる.この点が日本を取り巻く状況との大きな違いだろうか.
自国の通貨を捨てた国民だが,自国の通貨を捨てた今,デフォルトしたとしても国民の生活水準が大きく変化することはないだろう.そもそも自国通貨を流通させる最大の理由は市場介入を安易にし,経済を安定させるためだ.もはやアルゼンチンペソはその役目を終えたのだ.自国の経済と,自分たちの生活を切り離すことで新たな生活スタイルを手に入れるアルゼンチンの国民.これから先の進化が気になるので,是非ともどんどんデフォルトしてもらいたい.
無駄に,沖縄で散財をする
- 去年の12月,無駄に,沖縄で散財してきた.というのも,アプリ開発系のコンペティションで優勝した所,数十万円のあぶく銭が入ったのだ.この手のお金は,散財しないと気がすまない.しっかり貯金,という額でもないし,自分のところにとどめておくのがなんだか後ろめたい.
どうにもいかなくなり,沖縄へ旅行することにした.12月という忙しい時期になんとか同行者と予定を合わせた結果,日程は2泊3日.2泊3日で賞金の殆どを消費してきた.アベノミクスの助けになればよいが.
効率的に消費するため宿泊先は,リッツ・カールトン沖縄.一休からの予約特典として,カバナルームにはVeuve Clicquotのイエローラベルがついてきた.
何もやることがないため,コンビニで妖怪ウォッチの紙飛行機を購入し,広い部屋で遊ぶ.やはりセレブな遊び方は教養の一部であり,知っておいて損はない.僕はどうにも大人になるのが怖いので,妖怪ウォッチをhuluで視聴している.こういうことは朝顔の観察日記と同じで,コツコツ善行を積むことで花が咲くと思っている.
基本的にホテルでhulu見ているか,kindle見ているかという,ゆったりとした退廃的な時を過ごしていたが,同行者が美ら海水族館に行きたがったため,30分ほど車を走らせた.まるで期待していなかったが,水族館の係員が深海生物の生体についてレクチャーする教室が面白かった.設置されたブースには僕ら以外,2組の客がいた.内容は忘れた.